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製品トピックス

花王・バイオ没⾷⼦酸 GA-100 BIO

没食子酸とは

ウルシ科植物のヌルデ

没食子酸は有機化合物の一種で芳香族カルボン酸に分類されます。ウルシ科植物のヌルデに、フシムシが寄生してできる虫こぶ(五営学)から抽出して製造するため、収量が天候に左右されやすく、生産地も限定されています。また、抽出過程で発生する廃液による環境負荷の懸念がありますが、化学反応では製造が難しいとされていますが、用途は多岐にわたり産業に欠かせない基礎原料です。

花王の発酵生産技術

花王は、洗剤用酵素の生産研究の知見を活かして、トウモロコシやサトウキビ由来のグルコースから微生物を用いて没食子酸を製造する発酵生産技術を開発しました。この生産技術は、バイオマスから製品のもととなる化合物(化学原料)の製造を可能にするもので、将来にわたって地球にやさしい製品を安定的に供給することができるものです。芳香族化合物である没食子酸が発酵生産技術で量産できたのは世界初です。※花王調べ

没食子酸の発酵生産イメージ

没食子酸の発酵生産イメージ

花王バイオ没食子酸「GA-100 BIO」の特長

糖から発酵で得られる花王バイオ没食子酸は、植物から硫酸抽出にて得られる現行没食子酸に比べ下記の通り多くの優位性があります。

花王バイオ没食子酸と現行没食子酸との比較

花王バイオ没食子酸 現行没食子酸
原料価格の安定性 ◎ 変動小 × 変動大
原料の調達地域 ◎ 広範囲 △ 限定的
原料の環境負荷 ◎ 小さい ◎ 小さい
原料の持続性 ◎ あり △ 不安
製造の環境負荷 ◎ 小さい × 大きい
気候変動への耐性 ◎ 影響なし × 影響あり
環境性の進化余地 ◎ 大いにあり × ほとんどない

GA-100 BIO の物性

性状 白~微黄白色の粉末または結晶
純度 > 99%
乾燥減量 < 10.5%
強熱残分 < 0.10%
重金属 < 20ppm

没食子酸の用途

没食子酸は高い還元能を持ち、幅広い工業用途で酸化剤として利用されます。
芳香族、水酸基、カルボキシル基の特徴ある構造と性能を活かしたスペシャルティケミカルや高分子材料の中間体原料に使用されます。